「ディック・トレイシー」(1990)~湯村紗瑛

【1990年】

映画「ディック・トレイシー」の原作は1931年に誕生、いまも全米200余の新聞に連載されているチェスター・グールドの人気コミック。1967年に「おれたちに明日はない」を製作、自身が主演してアメリカ映画の流れを変えたウォーレン・ベイティが、今度は色彩による新しい映像の世界に挑戦した作品。

ストーリーは悪の華が咲き乱れる1930年代の大都会を舞台に活躍する刑事の話。クリーム色のソフト帽にコートをカッコよく着こなし、仕事も敵なしだが、こと女性に対してはウブで、煮え切らない、そんな刑事と街を牛耳るギャングとの対決、みなしごの少年との愛を描くが、冒頭から目をひくのはアスファルトの道路が真っ赤な映画の独特の色彩。

画面は赤、青、緑、黄、白と黒の6色の世界。照明やネガ処理による原色の鮮やかな世界はドラマをより立体化して見せる。

併せて、登場する男の俳優が二枚目刑事のベイティを除いて全員が特殊メークで劇画感覚を盛り上げるが、アル・パチーノやダスティン・ホフマンさえ見分けがつかないのは残念。

ほかに、マドンナがベイティを誘惑するキャバレーのナゾめいた歌手役で出演、妖艶(ようえん)なお色気シーンを見せる。

製作、監督、主演はベイティ。絵画的な楽しみのある作品だ。

受賞歴

■アカデミー賞
<受賞>
美術賞
歌曲賞
メイクアップ賞

<ノミネート>
助演男優賞(アルパチーノ)
撮影賞
衣裳デザイン賞
録音賞

http://eigaz.net/
http://artesangabriel.net/
https://dnsn.jp/


■ゴールデングローブ賞作品賞
<ノミネート>
映画部門 ミュージカル・コメディ作品賞
映画部門 助演男優賞(アルパチーノ)
主題歌賞

http://ゴールデングローブ賞歴代.com/comedy/


■英国アカデミー賞(BAFTA)
<受賞>
メイクアップ&ヘア賞
プロダクションデザイン賞

<ノミネート>
助演男優賞(アルパチーノ)
衣装デザイン賞
編集賞
音響賞
視覚効果賞

http://eigaz.net/bafta/



湯村紗瑛